五月どすん

読み上げ

お参りのお礼として、勝林寺の名と親鸞聖人の和讃を印刷したカラフルな箱のマッチをお渡ししているのは、いつのころからなのでしょう。皆さんのお家のお仏壇の前には必ずありますよね。数年前、熱心にお参りされるご門徒さんにいつものようにマッチをお渡ししようとすると、ちょっと遠慮がちに「うちにはマッチはいっぱいあるからいいです」と言われました。その方は、年間十回近い勝林寺の法座すべてにお参りしてくださる方ですから、多分、使い切れないマッチがたまっていたのでしょう。でも、受け取りを断るのは失礼かと思い、長らく「もういいです」と言い出せずにおられたのだろうと思います。それでも、このままでは使いきれず、かえってもったいなく失礼と思い勇気を出して言ってくださったのだと想像しました。その時「毎日のお参りにマッチを使ったら、一年間でどれくらい必要だろう」と気になって、マッチ箱をひっくり返して数えてみると、百三十四本のマッチが入っていました。単純に計算して、朝のお参りに一本ずつ使えば四か月半、年間で約三箱。朝夕二回お参りすれば二か月と一週間、年間で約六箱。現代の生活様式では、マッチを使うのはお仏壇くらいですから、とうてい十箱は使い切れません。「もういいです」と言われた方の気持ちがよくわかりました。それ以来、マッチ以外のお返しも用意することにしました。二年前、たまたまマスクを用意していた時期にコロナの初めての流行が重なり、マスクをお渡しすると「何よりうれしいです」ととても喜んでいただきました。その後は、勿論除菌シートも加えました(笑)でも、最近「マッチがいいです。やっぱりお参りにはマッチがいります」と言われ、ちょっとうれしかった坊守です。

(文責 坊守)


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