六月どすん

読み上げ

初夏を迎えた勝林寺の庭がいつもよりきれいで、少しずつ変わっていく様子を山門からゆっくりとながめるいい時間を過ごしています。ときおり、通りかかられた町の方も「きれいですね」と声をかけてくださいます。まず目をひきつけるのは、黄緑色の葉っぱを覆ってしまいそうなほどたくさんの花をつけたさつき。昨年秋にご門徒の皆さんにお世話になったおみがき奉仕の時、いいタイミングで的確な場所を剪定していただいたのがよかったのでしょう。葉も花も見事に芽吹き咲き誇っています。今年の冬は、たくさんの雪が降りましたが、枝が折れた様子はありません。もともとしなやかで強い木ではありますが、若院が除雪のときに、木の上に雪が飛ばないように気を付けてくれたのだと思います。前住の好きだったヤマボウシは、今年もたくさんの花をつけました。葉っぱより花の方が多いかもと思うくらいです。さつきの濃いピンク、ヤマボウシの白、そして葉の緑。美しい色のコントラストです。目立ちませんが、木陰の紫蘭やどくだみやホタルブクロやスイレンも可憐です。それに加えて、今年は「無量寿」のお墓の花が美しい。最近ここに納骨されたお家の方が、お花やお水を毎日替えてお世話してくださいます。ちょうど今、花畑で育った季節のお花をお供えしてくださいますから、故人は勿論、私までも楽しませていただきます。本堂の仏具や寺族が身につける衣には、ご寄進いただいた方のお名前を入れて感謝しますが、庭に育つ木や花には名前はつけられませんし、日々の手入れは気づきにくい行いです。でも、そのすべてが等しく尊くありがたいと気づかせていただきます。そのすべてが尊い「ご縁」によってここ勝林寺の庭にあるのだと思わせていただきます。

(文責 坊守)


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