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十二月どすん

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ご縁がありまして、この度「私のピアノ」が「但馬空港ピアノ」になりました。住職が「おんぷの祭典委員会」の席で「空港にピアノを置きたいね。だれか寄贈してくれる人はないかなー」というお話を聞いてきました。「うちのピアノを使ってもらったらどうだろう」と住職。「いいね」と私。実は、うちには私といっしょに嫁いできた、今は誰も弾かないピアノがありました。約四十年前、勤務が中学校から小学校に代わるのを機に、「まずは形から」と張り切ってピアノを購入しました。それが「私のピアノ」との出会いです。レッスンにも通い始めました。仕事から帰ってきて練習もしました。「私のピアノ」が一番輝いていた時期だと思います。しかし、現場の忙しさを言い訳に練習時間は次第に減り、レッスンも休みがち。ただの置物になるのに多くの時間は要しませんでした(涙)勝林寺に来てからも、娘が弾いた時期もありましたが、やっぱり最後は置物。「私のピアノ」は「このままここで置物として過ごすのだろう」とピアノ人生をあきらめていたと思います。しかし、十一月二十三日、「私のピアノ」は、但馬空港のロビー、百人近い観客が見守る中心にありました。ピカピカに磨かれ赤いじゅうたんの上に置かれ、世界で活躍するピアニストに弾いてもらい、バイオリンやクラリネットとセッションしました。「このピアノよく頑張ってくれますよね。いい音ですねー」と大いにほめていただきました。ほめていただくからでしょう、曲を追うごとにさらにいい音になっていくように感じました。夢のような一日が終わり、今は空港で弾いてくれる人を待っています。人生、最後まで何が起こるかわからないものです。 (文責 坊守)

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