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八月どすん

「お中元」の季節です。勝林寺にも、遠く離れたご門徒さんやご縁のある方から「お供え」として送っていただきます。もったいなくありがたいことです。感謝の気持ちは暑中見舞いをかねたお礼状でお伝えします。今年は、切り絵作家の久保修さんのミュージアムで買い求めた絵葉書にお礼の言葉を書きました。とっても素敵なはがきだったので、きっと気持ちは十分伝わったと思います。このお礼状には、三・四年前までは、昨年亡くなった母が、趣味で描いていた絵手紙を使っていました。久保修さんの作品には、足元にも及びませんが、九〇歳のおばあちゃんが描いた「世界に一枚きりのはがき」ですから、届いた方には喜んでいただいていただろうと勝手に思っています。私としては、せっかく時間をかけて丁寧に仕上げた作品を、「お礼状」という重要な役割を持たせはしたものの、投函してしまうと二度と見ることができなくなってしまうので、「本当に使っていいのかなー」と思ったのですが、母は「使ってくれたらいろいろな人に見てもらえてうれしい」と心底うれしそうにいうので、「それもそうだなー」と納得してぱっぱと使っておりました(笑)八〇歳から始めて九〇歳を超えても時間があると筆を持っていました。花が好きだったので、題材の多くは花でしたが、特別な花など一つもなく、家の庭に咲く花やいただきものの花。特別な道具など一切使わず、最後まで孫や娘の絵の具セットのお下がりを大事に使って描いていました。生きているうちに「すごいね、うまいね」って言葉にして伝えればよかったなと思います。(文責 坊守)