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二月どすん

BSで放送している「まいにち養老先生とときどきまる」という番組が好きです。養老先生は「バカの壁」で有名な解剖学者。「まる」は先生と一緒に暮らす猫。「金言」にちょっと毒もまぜる養老先生のわきを通り過ぎるまるのゆるーい感じがとってもいい。でも、昨年一二月、一九歳を目前にしてまるは亡くなりました。その時「まるは、うちに来てから亡くなるまで私に何かしてくれたことなどない。ドアを開けろ、そとに出せ、餌を入れろ・・私はまるのために多くのことをしてきたが。しかし、それでよかった、まるはそこにいるだけでよかった」という趣旨の先生のコメントが掲載されました。この言葉から、まるが先生からすごく愛されていたことが痛いほど伝わってきました。周りに媚びたり、無理をしてすり寄ったりすることなく自然体で生きて「そこにいるだけでいい存在」であったまる。いいなぁ、そんな風になりたいなぁと思っていた時に、偶然読んだ雑誌にこんなことが書かれていました。

「幼い子供は周りの大人から不断に援助されなければならないが、ただ与えられているだけかというとそうではない。やがて大きくなれば与える側に回るからではない。生まれたばかりの子供でも与えられるものがある。それは「幸福」である。子供がいるだけで周りの大人はうれしいのである。幼い子供は幸福を与えようとはおもっていない。誰もが自分が幸福であれば、その幸福は必ず他者に伝わっていくのである。高齢になり、身体が弱っても、そのことで自分が不幸だと思わず、日々生きる喜びにあふれている幸福な人は、幸福を家族にあたえるだろう。」なるほど。まるは何もしなかったけど、先生のそばでとても幸福だったから、その幸福が一緒に暮らす先生に伝わり、先生を幸福にしていたんだね。いいなぁ。 (文責 坊守)