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どすん 2024-10

「災い転じて福となす」いやちがうなー「失敗は成功のもと」でもないなー。きっかけは多分私の怠慢。去年の夏、せっかくいただいたかぼちゃを私の不注意で腐らせてしまったことから始まりました。「かぼちゃは日持ちがするから」と普段目の届かない勝手口に箱に入れて置いていたら、すっかり忘れてしまい、気が付いた時には、残念な姿になってしまっていました。(くださった方、かぼちゃさんごめんなさい)で、それを本堂の裏にあるキウイの木の下に捨てました。そこは、いつも境内の草や枯れた花を捨てる場所にしています。そんなこともすっかり忘れていた今年の夏、畑に植えたはずのないつるが伸びていることに気が付きました。「いったい何が生えてきたんだろう」と家族も不思議には思っていましたが、さほど気にも留めていませんでした。ところが、畑の主役だった若院のとうもろこしがカメムシ被害で元気がなくなっても、毎日毎日暑い暑い日が続いても、水も肥料もやらないのに、いっこうに成長を止めないつるを、もう誰も気にせずにはいられなくなりました。「きっとあれは去年捨てたかぼちゃだね。」―つるは、キウイの木に登り、すっかりキウイを覆い隠し「かぼちゃの木」になりました。とうもろこしのなくなった畑に延びて一面「かぼちゃ畑」になりました。毎日見ているうちに愛着の湧いた住職が、雄花と雌花を受粉させたので、見事に実を結びました。あちこちに実がなり始め、その数ゆうに十個をこえていそう(とにかく葉が茂りすぎてよく見えないんです)世話してきたわけでもなく、ただ腐らせて捨てただけの私ですが、実を見たとたん愛着がわきました(笑)これを人は「棚からぼたもち」というのでしょうか。それとも「濡れ手で粟」かなぁ。

(文責 坊守)