もしも私の人生「悲しいことベストテン」「うれしいことベストテン」を決めることがあったら、上位に入ることが、この二週間にありました。悲しいことは、我が家の大切な猫のふじこが、十月一一日未明に部屋を出たまま帰らなくなりました。過去に丸一日帰らなかったことがあったので、二十七時間待ちました。しかし、帰りません。ふじこの行きそうな本堂の縁の下や境内を探しますがいません。十七歳になり、かなり視力が落ちています。獣医さんに相談したら「猫同士の争いで怪我をしてどこか隅の方に入り込んでる可能性が高い」と言われたので、本堂から庫裏の縁の下など隅々まで探しましたが居ません。ダメもとで「愛護センター」「警察」にも届けました。昼間の明るい時間は、家周辺を探し、静かな夜には泣き声に耳を澄ませましたが、何の気配もありません。何の手掛かりもないまま日が過ぎて・・あきらめかけた十二日目の夕方、愛護センターから「お宅の猫の特徴によく似た猫の通報がありました」と。の連絡。場所は、登城橋を渡った先の側溝の中・・行ってみると確かにふじこが居ました!かなり衰弱して瀕死の状態でしたが生きていました!センターに知らせてくださったのは、大阪から観光にいらした女性でした。「ありがとうございます」うれしくて思わず抱きついてしまいました。この方のおかげでつながったふじこの小さな命、一週間になる今日、か細いながらもなんとかつながっています。前に生死をさまよったとき、(これからは絶対にずっと大事にする!)と誓ったのに、どうしてもっと必死になって、血眼になって探してやらなかったのか、周りの人たちに協力を求めなかったのか・・悔やむことばかりです。なかったことにはできないので現実を受け止めて、今、ふじこにしてやれることを続けます。
(文責 坊守)
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