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七月 どすん

今年も「永代経」の時期と成りました。出石の町内の寺院の中では、早いお寺は五月からお勤めになりますので、七月の八・九日にお勤めする勝林寺はたいてい一番最後です。年によっては、大変暑い時期と成り、外陣以上に暑い内陣出勤を終えられたご住職の額からは、滝のように汗が流れるといった年も過去にはありました。今年はそんな日にならなければいいなと今から案じております。

さて、ご門徒の皆さんの記憶にもまだ残っていることでしょうが、以前は、永代経の二日目の午前中には仏婦の総会も開催しておりました。前坊守の時から長年にわたって続けていたので、「そのまま引き継ぐことが私の務め」と思い、私なりに頑張って続けておりました。しかし、そのころ学校勤めをしていた私にとって、七月のこの時期は学期末に入り、てんてこ舞いの日々でした。それに仏婦の総会と永代経が重なれば・・(ご想像にお任せします)首にかけた輪袈裟が、汗でいつもぐしょぐしょになっていました。きっと、終始余裕のない怖い顔でお勤めしていたのではないかと思います。阿弥陀さんもいい迷惑です(笑)で、二十年近く続けてようやく「これはあかん」と時期の変更に踏み切りました。現在は、春の彼岸会の午前中に開催しています。暑くも寒くもなく心地よい気候と、祝日という安心感の中で、終始笑顔でお勤めできるようになりました。

こうして読み進めていただくと「もっと早く変えたらよかったのに」と思われたでしょうね。その通りです。ですが、それが出来ませんでした。「守る」ことに精一杯でした。思えば、どんな些細な事でも「変える」ことには、それなりの覚悟と勇気がいります。それによって起こるすべてを受け止めないといけないから。こう見えて結構小心者の坊守です(笑)(文責 坊守)