八月 どすん

ご門徒の皆様のお供えとご奉仕とお参りによって、今年も永代経を勤めることができました。寺にとっての二大行事が、夏の永代経と冬の報恩講です。毎年、同じように勤めさせていただけることがありがたいことだと年々強く思わせていただきます。

 お参りに来ていただく皆さんはお気づきのことと思いますが、いつもの法要なら、最初から最後まで皆さんと一緒にお参りさせていただく私が、この二つの法要では、お焼香の後しばらくしたら席を立ちます。実は、内陣に出勤してくださっている町内のお寺様の接待をするためなのです。永代経なら冷たいおしぼりと飲み物、それによく冷えた果物やお菓子を読経の後すぐに出せるように用意をします。何年やってもうまくタイミングが計れません。早すぎてぬるくなってしまったり、遅くなってお待たせしたりを繰り返し、悪戦苦闘しています(笑)私のその様子を見ていらしたご講師さんが「役員さんにお願いされたらどうですか」と言ってくださいますが、私は「これが私の役目ですから」とお答えします。私が住職と結婚した当初は「坊守になる」なんて思ってもいませんでした。だから、必要な時だけお手伝いをする程度で、寺にご奉仕する前坊守の背中を見てきませんでした。ただ、永代経と報恩講の時は、前坊守が、庫裏から書院につながる廊下を「バタバタバタ」と威勢の良い音を立てて、何度も何度も往復するのを二階の部屋で聞いていました。どんなことをしていたのかは見ていませんでしたが、何回も往復することを厭わず、その時にできる精一杯のおもてなしをしていたのだろうということが、その足音から伝わってきました。私は、「前坊守の足音を聞いて育った」というわけです。だから、永代経と報恩講の時、私はじっと座っていることができないのです。(文責 坊守)

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