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十月どすん

昨年、豊岡に芸術文化観光専門職大学が開校しました。Aityの跡地が立派な建物に変わっていく様子は見ていましたが、我が子はみんな社会人となり自分とは縁のないものだと思っていました。ところが、縁がありました。今年五月「大学生の暮らしを応援する『豊岡ファミリー』になってもらえないか」と声をかけていただきました。「寮生活を送る学生を家庭に迎え入れ、一緒にご飯を食べたりおしゃべりしたり、・・何でもいいんです。彼らの暮らしを応援して」と。私たちには何のスキルもありませんが「勝林寺にはたくさん魅力があるな」とお引き受けすることにしました。紹介された学生さんは「かなちゃん」。高校生の時は演劇をやっていたという女優志望の歌のとても上手な女の子です。六月、動物好きな三人のルームメイトと共に来たかなちゃんは、自炊は大変というのでみんなを晩御飯に招待しました。寮にはシャワーしかないと聞いて、温泉に行きました。一緒に音楽を聴きに行ったり、蛍を見に行ったり、家族と一緒にしそうなことに月一回くらい誘います。私たちが誘うばかりではありません。かなちゃんは、大学で音楽サークルに入っているので、ときどきライブをします。そんな時は「もしも時間が空いていたら来てください」と遠慮がちに誘ってくれます。先日、普段は公設市場として使われる小さなスペースに、マイクとアンプだけを置き、近所の人や通りがかりの人、十数人が足を止める中で歌いました。とても楽しそうでとてもうれしそうで、声、表情、空気すべてに引き込まれました。少し離れたところで、にこにこ手拍子しながら聞いてくださるおじいちゃんの拍手が、かなちゃんへの最大の賛辞だったように思います。ぜひ皆さんにも紹介したいです。

(文責 坊守)