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六月どすん

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コロナの行動制限がなくなった今年のゴールデンウィークは、出石も多くの観光客でにぎわい、お蕎麦屋さんの前には連日長い行列ができました。勝林寺も、たくさんのご法事のお参りがあり、ようやく帰省がかなった娘さんや息子さん、お孫さんも一緒にお参りされたお家が多くありました。久しぶりにお会いする子どもたちは、みんなとても大きくなり、その成長ぶりに驚かされます。子どもたちが小さい時は、どこにでもついてきてくれて、家族が一緒にいることは当たり前でした。しかし、それぞれの成長に伴って活動が広がり、優先順位も変化して、家族といっても少しずつ重なる時間が減っていきます。さらにこの三年、コロナの流行でますます離れたような気がしていました。でも、ようやく自由に行き来ができるようになり、みんなが揃えるようになった今、多くのご家族が、先に逝かれた方の法事をご縁に寺に集い、お参りされるのです。「みんなが揃って帰れるのは今日しかなくて・・」「この子は、このあとすぐに学校のある街に帰るんですよ」とお話しされるのを聞くと、わずかしかない貴重な家族の時間に、お参りされることの意味を思わずにはいられません。子どもたちの中には「えーお寺?」と思う人があったかもしれません。「美味しいものを食べに行くほうがいいなー」「ほしいものがあるから買い物に行きたいなー」という言葉が出そうになった人もいたかもしれません。それでも、家族の思いをくみ取って、あるいは自分の思いを我慢して、たしかに仏さまの前にお参りされました。子どもたちが「どうしてお寺にお参りするのだろう」と考えるきっかけになればいいな、手を合わせる家族の後ろ姿を「ちょっといいかも」と感じてくれるといいなと思った坊守です (文責 坊守)