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どすん 2024-03

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今年は、総代様と仏婦役員さんの改選でスタートしました。それぞれにいろいろな事情のある中で、役をお引き受けくださった皆様に、心より深く感謝をしています。私には、役員改選のたびに思い出す光景があります。今から三十年余り前、亡くなった前坊守が、入院先の病院の枕元に仏婦の会員さん二人に来てもらい「役員をお願いしたい」と頼んでいた場面です。自分の病を受け入れ、命がそう長くないと知った前坊守が、生きている間に、どうしても自分がしておかないといけないと思ったことの一つが、仏婦の役員をお願いすることだったのです。ほかのことは、親族や門徒さんが助け合って寺の護持につとめてくれることに不安はなかったのでしょう。しかし、これだけは「私が生きているうちにしておかなければならない」と命を懸けてお願いしたのです。そうして前坊守がつなげてくれたバトンですが、その力も二年の任期で終わり、私に戻されたバトンは重く、うまく次の方に渡せません。人に何かをお願いすることは、気を遣うし、遠慮するし、なかなか言い出しにくいことです。それが「役員」となるとさらにさらにハードルは上がり、敬遠されることが多くなります。ましてや、私はその当時勤めていて、寺にいる時間も少なく、会員さんとじっくりとお話しする時間もない状態でした。そんな私には、お願いすることはできても、断られたら説得するだけの力はありませんでした。何度も心が折れかけましたが、それでも、なんとか途切れることなくバトンをつないでこられたのは、間違いなくご門徒さんの思いやりとご奉仕の心であったと思います。最近では、年を重ねたせいか、すっかり押しが強くなった坊守に、押し切られる方もいるとかいないとか・・(反省) 

(文責 坊守)