永代経法要が終わり、しばらく本堂を使う行事が途切れるこの時期を使って、本堂の畳を美しくしていただきました。「新しく」ではなく「美しく」です。なぜならば、たくさんのシミをつけてしまった畳表をいったん外して、きれいなままの裏を表に出して再生していただいたからです。環境にやさしい畳です。(さすがに、へりは色褪せがひどく新しくしていただきましたが)畳をあげていただいたとき、出てきた古新聞に「1997年」と書かれていましたから、二十八年前に新調していただいたことがわかりました。つまり、これから先、さらに三十年、この畳にお世話になれるわけです。この畳は、当時の畳屋さんおススメで、畳表には、い草ではなく和紙を撚ったものが使われています。その良さは、何年たっても青畳の色があせないということでした。確かに、約三十年経っても、青いままでおりました。それに、い草のように擦れて繊維が切れることがないので、傷みを感じることはありませんでした。ただ一つの悩みは、お醤油やコーヒーなど少し色の濃いものをこぼしますと紙ですからしみ込んでしまい、拭いてもなかなか落ちないことでした。勝林寺は、前住のころから宴会好きでしたから、何かにつけて飲んだり食べたり歌ったりします。そのたびに、ひとつふたつとシミが増えて・・皆さんご覧の通りの状態になっておりました(笑)それでも、いつまでも、シミひとつないきれいな畳が三十年続くよりも、たくさんの人が寄り合って、その時々の思い出といっしょにシミが残る本堂は、ちょっと自慢してもいいかなと思えます。これからの三十年、この畳にどすんと座る多くの皆さんによって残されてゆくシミを、今度は私の心にもていねいに残していきたいなと思います。
(文責 坊守)