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住職法語 2025-04

天親菩薩造論説  帰命無碍光如来
依修多羅顕真実  光闡横超大誓願

天親菩薩はお釈迦様が亡くなってから七百年もたってから活躍された北インドの方です。たくさんの本を著され“千部の論主”と呼ばれたりもするようですが、特に自ら阿弥陀仏の信心に生き、その浄土思想を明らかにしたものが、『浄土論』というご書物です。

この『浄土論』には、浄土に生まれていく仏道について端的にまとめて明らかにされています。それは『無量寿経』にしたがって浄土の道を明らかにしているもので、「世尊我一心 帰命尽十方 無礙光如来 願生安楽国」という文で始まり、一心に阿弥陀仏に帰命するということがいわれています。“一心に阿弥陀仏に帰命する”これが、浄土に往生する一番のポイントであることを天親菩薩が明らかにされ、親鸞聖人も自らの仏道の要がここにあるととらえられたのです。「世尊(お釈迦様)は、我は一心に尽十方無礙光如来(阿弥陀仏)に帰命し、安楽国(浄土)に生まれることを願い生まれた」だから天親菩薩も一心に阿弥陀仏に帰命して往生されました。同じく親鸞様も一心に帰命し、浄土を願い、お浄土に往生されたのです。その教えの中で、父も母もおじいちゃんもおばあちゃんも、親鸞聖人の信心(一心帰命)をいただいて、浄土に往生していったのだし、いま私たちは「帰命無量寿如来 南無不可思議光」とお正信偈をうたいながら天親菩薩と同じ信心の仏道を歩ませていただいているのです。

天親菩薩は次に、お浄土を目指し人生を歩むための具体的行為として「五念門」を示されています。礼拝門(阿弥陀仏を礼拝すること)・讃歎門(阿弥陀仏の名号を唱えること)・作願門(浄土往生を心から願うこと)・観察門(仏や浄土の荘厳・功徳を心に思い見ること)・回向門(自己の修行による功徳を他の衆生にも分かち与え,ともに浄土に往生しようと願うこと)の五つです。お寺の法要などでもいろいろな作法という動きがありますが、それはこの五念門の実践を多くの人に時代を超えて引き継いでいくために切磋琢磨し、磨き上げ、マニュアル化された動きなのだと思います。礼拝の仕方についても、最近ではYouTubeなどで検索すればわかりやすく説明されていますので、また参考にしてください。お寺にお参りし、阿弥陀様に手をあわせ、お焼香をして、礼拝し、お正信偈を唱和して、お念仏を称え、美しい本堂の内陣を見ながら阿弥陀様とそのお浄土に心を寄せて、ともに念仏をよろこぶ人たちと一緒に往生を願うことがお寺の法要の意味だと思います。

ただ、カタチを身につけるのは大切ですが、作法を正確に行っても、カタチを多くこなしても、「一心帰命」の信心が疎かであってはならないのが親鸞の教えの特徴です。ある意味で、信心がしっかりとしていれば格好なんてどうでもいい。格好にこだわるより、まず阿弥陀様に一心に帰命する心を大切にするのが、浄土真宗の門徒です。さらにただ、カタチを身につけ、習慣として何度も何度もお寺にお参りを重ねることで、「一心帰命」が固まるということもありますので、ぜひ毎月二十六日午後二時から「みのりを聞く会」にお参りください。

(文責 住職)