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住職法語 2026-04

本師源空明仏教 憐愍善悪凡夫人
真宗教証興片州 選択本願弘悪世

四月が近づくと一月、二月、三月はやはり早く過ぎていったように感じます。勝林寺では、これまでずっと年度終わりを十二月三十一日としていましたが、来年からご本山の奨めもあり三月三十一日を締め日にすることとなりました。一般社会の動きも、三月三十一日締めの四月一日始まりで動いているので、それに合わせていく形になります。学校の卒業式も三月で四月が入学式なので、年の切り替えは桜の季節にするのがいいようです。何でもないことのようですが、住職としては長年慣れ親しんできた一年の活動リズムが変わっていくことに、具体的ではない漠然とした不安を感じ、これも老齢期の兆候なのかと嘆いています。

話は変わりますが、今年四月から父母の離婚後の子の養育に関する見直しがおこなわれ、改正家族法が施行されます。中でも「共同親権」の導入は、父母の離婚に直面する子の利益を確保するための、新しい選択肢として注目されています。離婚すればどちらかの親一方だけに親権を定めてきた単独親権から、離婚しても子にとっての親として、双方が親権を持ち続ける「共同親権」が可能となったのです。まだまだ、暗中模索のところもありますが、基本的には日本の「家族」に対しての見方、考え方、在り方が変化してきていることを感じます。 大きな流れとして、“選択の自由”が拡大し続けています。選べる選択肢が増え、選ぶ自由が誰にでも保障されるようになってきています。「家」という縛り、「男・女」という縛り、「慣習」という縛りから自由になり、憲法第二十四条「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」が実現してきたのだと思います。しかし、夫婦は自由選択できても、生まれてくる子供に“選択”はできません。その子どもの側の権利を保障するための法的な見直しが司法の場で進んでいるのです。

自分で産まれようと思って産まれる者はいない。そして、自分の親を選んで産まれてくる子もいません。“勝手に産みやがって!なんでこんな家に生まれ、苦労しなくちゃいけないのだ!!”と、不平、不満が募ります。しかしそれがどこかで、多くの不思議なご縁の中で産まれた命であること気づき、多くの命に支えられながら自分の道を選び取って生き、計らいを選び捨て、自分の行き先を迷わず死んでけることに気づくのが、選択本願念仏の仏道です。親鸞聖人は念仏を体験することで、法然上人が真実の仏教を遠くインドからアジアの片隅の日本に興し、選びに選んで選ばれた念仏によって五濁悪世の中を、喜びの心をもって生き抜かれたのです。いま私たちも、きわめて不本意な世界情勢の中、すべてまるごと我が事として、最大限もがきながら浄土を目指して生きさせていただきたいと思うのです。

阿弥陀仏の本願を聞き、念仏を称えながら生きる道を選びとり、如来の大悲に抱かれて安らかに日々を送る人生は、自由で、自発的で、主体的な、社会と共に歩む人生だと思います。

(文責 住職)